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Koppepantaro

身の丈五尺八寸、中盛無料と戦う日々、時々…

身の丈五尺八寸、中盛無料と戦う日々、時々大盛

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コメントした本

コールド・コールド・グラウンド

ジョニーウォーカーでオフィスの紅茶を景気づけ、コーヒーにはジムビーム。この辺じゃ誰もがウィスキーの川辺にテントを張っている、と嘯く男ショーンダフィ巡査部長を主人公にしたこの小説。 一九八一年、キャリックファーガス=ベルファスト=北アイルランド、という舞台設定からすでに血煙が見えてくる。謎解きに注力するというよりは、アイルランド風現代ノワール小説として正しくダーティーかつ殺伐とした日常が描かれ、ダフィの拘泥した思考と捜査を淡々と追っていく。 この時代のこの場所にあった、或いはそうあり続けた真っ黒な火種のようなものを、ページを繰りながら少しずつ学んでいくことが出来る。教科書的な意味合いもある本作、読んで良かったなと思った。

1日前

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BRUTUS特別編集合本・本屋好き

逆襲の本屋道。ピンポイントの需要ではなく、エゴイスティックな知の奴隷たらんとする書店の心意気が好き。旅先では必ず立ち寄ります。 ポーカーフェイスで書棚を回遊しつつも、こんな本まであっちゃうの…?こんなにあって大丈夫…?と勝手に心配して勝手に立ちくらみ、気づけば数時間コースの超大型書店も嫌いじゃないむしろ大好物。しかしながら、置きたい本だけ置いている系小規模店舗でこそ買いたい本があり、得てしてそういうお店はちょっとシャレたオリジナルブックカバーをつけてくれたりして、そういうところがまた好き。要するに本屋が好きです。だからこの本も面白かったです。

23日前

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IQ

著者いわく、「フッドの(=低所得者の多い黒人街の通称)シャーロック・ホームズ」。知性のパワーを武器に、時に学校への通学路すら命を脅かすほどに危険な街角をすりぬけていく主人公と、元ギャングの相棒。冗談みたいなラッパーといかにもな下っ端、腹黒社長などなど、登場人物が軒並みクセが強い。 マーロウのようなスタイリッシュさとは違う、漂うようなグルーヴ感。レナードタッチで味わう丁々発止のかけ合いやハードボイルドさとも違う、ストリートの意味合いが異なる地域の熱く渇いた空気感が、独特の雰囲気を感じさせる作品。 エピローグまでが本編です。ここでまさかの…と思わせて次回作に繋げるのが何ともニクい…。

約1か月前

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海と毒薬

読んでおきたかった本、という事で手にとってはみたが、期待外れだった。いわゆる戦争物、加害者側のストーリーで読ませる作品なら他に名作があるし、人間とは?のテーマはまさに文学・哲学の王道、この作品がそこに並ぶのには少し違うのでは、と思った。日本人論としても、祖先神信仰から仏教との融合、独自の風土性と合わせて論じた和辻哲郎の「風土」の方が断然面白い。いわゆる無神論は日本人の大多数に当たらないし…。クリスチャンじゃないという程度で「神の不在」を主張し、作中の精神的主犯格はその幼少期から道徳心の欠如を本人が痛感しているという土台の上で、捕虜の生体解剖事件を取り扱い、それを日本人の罪の意識とは?と広げられても何だかなぁと思う。本作で著者が描きたかったものには共感も納得もしなかったが、それでも作中に一貫する厭世と倦怠の泥沼状況、凡てどうにでもなれという投げ遣りさの振り切れ方、みんなが何かを壊され、壊してやろうとする心の曇り具合はある意味凄かった。解剖中、普段と何が違うのか、それが分からないといい、分からなかったのが全てだったのかと思った。

約2か月前

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ガソリン生活

望月家とその自家用車緑デミのお話。語り部のデミオとその友車ザッパの掛け合いや、隣り合った車同士の噂話を通じて謎解きが進んでいく。伊坂さんらしいウィットに富んだ発想から生まれる、車だからこその表現や展開が楽しい。 この本には、手に汗握るエンタメ感や、夢中でページを繰るようなドラマチックさはない。ないがしかし、ゆったりと聞かせる会話の妙が確かにある。たびたび、ふふっと笑いが出てくる。自分がこれまで関わった車や二輪車(○♯▲%!)のことを思い返し、彼らの会話や日常を空想してみる。あれはワイパー動いたよね、とか、開いたボンネットが塞がらないよ、とか。 カバー裏の番外編もちょっと得した気分で何だか嬉しい。読んでいて、とても穏やかな時間を味わえる、いい本だった。

2か月前

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宇喜多の捨て嫁

同時代の梟雄には例えば松永弾正がいて、こちらは気軽に領民を燃やしたりするので全く洒落にならないのだけれど、どうやら直家はノリが違うなと感じた。 理不尽な死を強いることの方がずっと多かった時代に、とことん「死」に意味を押し込めた武将だったのかなと思った。 持ち切れないほどの非業を噴き出しながら毒を喰らい続けた戦国の梟雄、宇喜多直家は静かに格好良かった。 ただ、この人の親戚にだけは死んでもなりたくない。

3か月前

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わたしを離さないで

目にするたびに「この子らはどう生まれ、なぜ生まれたか」を思って身震いする。少しでも体が触れ合うことを恐怖する。そのことがわかる瞬間、初めてその人々の目で自分を見つめる瞬間、それは体中から血の気が引く瞬間です。生まれてから毎日見慣れてきた鏡に、ある日突然、得体の知れない何か別の物が映し出されるのですから。 ================================== この作品を良し悪しで分けるなら確実に良しとなるのだけれど、簡単に「面白かった」とは到底言えない。読んでる間、ずーっと苦しかった。辛くて悲しくて、知らぬ間に顔をしかめてしまう、そんな時間になった。それでも、また読みだしてしまう。放り出そうとは決して思わない。もしかしたら、もしかしたら、と祈りつつ、けれどその願いが叶わないこともわかりつつ。 不安がじわじわとわいてくる。知らぬ間に、背中を虫が這い上がってくるような、気づいていたら真っ先に叫ぶのに、振り払うのに、気づかない。そんなシーンを想像する時に感じる種類の恐怖。 ラストまで読み終わって、この本は一体何だったんだろうと考えて、考えて、考えてたら、泣けた。 高校現代文の教科書に載せたらすごいことになりそう。責任とらんけど。

3か月前

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私の恋人

「あれは私が一人目のクロマニョン人だった頃のことだ。」 そんな書き出しが存在するこの物語で、まさかこんなに感動するとは思わなかった。 十万年越しの純度で想う、諦めを知らない、たまらなく可愛い、私(たち)の恋人。 これだけ突拍子もない舞台において、一度も破綻しない圧巻のストーリー。最高にロマンチック。だけど無性に切なくて悲しい。 ふいに泣きたくなるような気持ちにさせられてしまって、思わず俯いてしまったけれど、次の瞬間にはまた期待出来る、そんなラストまで夢中で読んだ。この作者の作品は次も必ず読みたい。

3か月前

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ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集

フィンランドの不思議鳥パフィンのクリアな人生観に刮目し、ラオスのメコン川を畏怖する。そんなハルキムラカミが各地で猫と触れ合い、割とリッチな滞在を楽しんできました、な紀行文。 思っていたような人とは違うみたいだけど、思ってもいないようなところが見れそうな、そしてやっぱりハルキ節なんだなぁと思ってまたねじまき鳥でも読み返そうかなぁなんて。 とりあえず美味しいものを食べる旅に出ようと思いました。

4か月前

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トリノトリビア 鳥類学者がこっそり教える 野鳥のひみつ

以前、都会の片隅でカワセミを見かけた事があった。まさかそんなところにいるとは思わなかったので大変驚き、夢中で青く美しい姿を追った。 その後も時折思い返しては、カワセミ見たねぇと語り合う事もあるほど、貴重な体験だった。 そんな都会の神秘、カワセミはこんな風に紹介されていた。 「コバルトブルーの羽毛が美しい、渓流の宝石ことカワセミ。魚がいて、巣穴が作れる環境があれば、多少こぎたない川でも機嫌よく暮らしている鳥です。」 こぎたない…川…宝石が…ああ… ヒトにとって、最も身近な野生動物である野鳥。そのまさか!やそんな!に溢れた生態を垣間見れる本書で、これまで出会った鳥達を探してみるのもいいかもしれません。意外な姿を見つけられるかも…。

5か月前

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清須会議

現代語訳でめちゃくちゃにした清洲会議、でも実際のところ、こんな感じの濃ゆ〜い人間ドラマが繰り広げられていたのではなかろうか…と思ってしまう。肉離れだ!は本当に吹き出しました。原作とあわせて映画も是非観てみたい。個人的には前田玄以リーダーの期待値がすでに特大。

20日前

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全ての装備を知恵に置き換えること

著者自身が語る、ある映画の紹介がまんまこの作品を言い表していたので、抜粋。 大陸から離れ、海や空を隔てて、住んでいる場所を見つめ直してみること。周縁から中心を見据え、辺境から都市を眺めると、自分の中に描いた世界が変化する。たとえ実際に空へ飛び出さずとも、ふとしたことによってあらゆる土地や考えから自分を離陸させること。この作品はそのようなきっかけになりうるとぼくは信じている。 タイトルの言葉は、パタゴニアの創業者イヴォン・シュイナードのセリフです。

24日前

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脳はなにげに不公平

全編を通して吹き荒れる「へえー!」の嵐。気づけばドッグイヤーだらけに。 上流階級ほどモラルが低い? お金が命の価値を軽くする? サルも恩返しをする? 実は全員嘘つき? 動物行動学も好きだけど、脳みその話はやはり別格の面白さ。読むとためになりますよレベルではなく、この本、ためにしかならない。

約2か月前

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13階段

ジェノサイドでハマった高野和明さん、二冊目。 命を奪った者たちが集まり、悩み、力を合わせてあるべき正しい過去を探し出そうとする話。その成果が必ず未来に繋がると信じながら。 この作者の作品はエンタメ要素をしっかり備えつつも、読者に考えさせる明確なテーマが用意されており、今回はそれが「死刑と応報」であると思った。単純な存続論・廃止論にならず、執行者という第三の視点も交えて繰り広げられる、文字通り命を懸けた行いを通じて、本当に色々な事を考えさせられた。死刑に関しては、その数や、具体的手順など、知らなかった事が沢山あった。命を奪うという行為そのものが、いつまでも誰かの何かを削り続けていく。そして、応報の是非とは。 重苦しいテーマを扱いながら、推理小説としてきっちり成立させているところがこの人の巧さだなぁと感じた。楽しませて、考えさせる。高野さん好きの人も、そうでない人も、おススメです。

2か月前

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死神の浮力

黒い背広に、細身のネクタイ。背は高く、痩せ型。行儀の良い子どものように律儀に背筋をまっすぐに伸ばしながらママチャリに乗って、雨の道をするするとやってきた。降り止まない雨の中、決して迷わないあの死神がやってきた。 参勤交代から始まって、静電気(⁈)アタックに武家諸ハット、そして場違いなミュージック。全くブレないあの死神の名前を、心の中で何度も呟き、或いは叫ぶ。 相当な期間、この仕事を続けているにも関わらずトンチンカンさが有り余ってしまう場面で「千葉さん…(呆)」、肝心なところでも文脈一切無視してミュージックを見つけてしまい「千葉さん!(怒)」、絶体絶命をものともしない死神パワーに狂喜しながらの「千葉さん!(ヒャッハー!)」、そしてまさかのクライマックスで魅せる驚異の姿に思わず「千葉さん…!(感動)」。 非常に重い物語の背景や人物像に沈み込みそうにもなるが、そんな時でもふっと浮力を感じることが出来る、不思議地蔵のような存在にフラフラと導かれながらの520ページ。あっという間だった。

2か月前

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月と六ペンス

初めは好意的に、格式張って窮屈な社会生活をうっちゃって自らの衝動に命をかけたストリックランドを応援する気持ちで読み出して、ストルーヴェとブランチが絡み出した頃にはすっかり大嫌いに。ストリックランドはクソだ!と何度も心の中で叫んだ。それに引き換えストルーヴェの清廉なことよ、と。魂が美しいから、だから絵が凡庸なのだと思った。ストリックランドの凶悪で醜い人間性が逆に壮絶な美を表現するのだと。この性悪画家のモデルになったのはかのゴーギャンで、おかげですっかりゴーギャンも嫌いになってしまった。この辺りで物語は折り返し地点に立つ。いよいよ、かの島に旅立っていくのである。 「彼がこの島にきて多少なりとも優しくなったとは思えないし、利己的でなくなったとも、残忍でなくなったとも思えない。まわりの人間が好意的だったのだ。はじめからここで暮らしていれば、普通の人間として暮らしていたかもしれない。ストリックランドはこの地で、祖国の人間には期待も望みもしなかったものを手に入れた。つまり、理解を。」 常人には理解できない憧れを孤独な魂に秘め、想像力をかき立てる未知の島へと旅立つ姿に、思わずエールを送りたくなる。ロンドンでも、マルセイユでも、そこで当たり前とされたいかにも現代的なものさしで測れば、彼は間違いなく狂人だった。けれど、南海の島に渡ればそんなものさしなんてどこにもない。ただあるようにある、そんなかたちを受け入れてもらえたその島で、男は奇跡の絵を描く。 ずっと、苦しんでいたのかもしれない。狂おしい情熱の奴隷、最後はそんな風に思った。友達になれるとは思わないけど、6ペンスぐらいなら貸してあげてもいい。

3か月前

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夏への扉

面白かった。 ルンバを見る目が変わりそう。 これは確かにSFなのにドタバタコメディのようなおかしさがあって、ワクワクしてハラハラしてガックリもするけど最後はきっちり取り返す、時間と運命に対する知恵比べのようなお話。どんな苦労にも値するとびきりの「夏への扉」を目指してあっちこっち行ったり落ちたりする主人公。その相棒は猫のピート、鍵はリッキィ。実際に猫好きだった作者のピートにまつわる描写が秀逸で、ふとした瞬間の触れ合いが素敵だった。 P18. 腕に、ぼたん雪がぱらりと落ちたような感じがした。ピートが片足をかけていた。 「モーア」「食いしんぼうめ」ぼくはいいながら、受け皿の中にジンジャー・エールを注いでやった 愛するもののためには、勇敢に戦うことが出来る、そんな一人と一匹のスラップスティックSF冒険譚。

3か月前

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エルマーとりゅう

囚われのりゅうを助け出す旅に出たエルマー、 始まって1ページで無事にりゅう救出。 あとは帰宅するだけ、という衝撃的な幕開けからまゆげカナリアとの出会い、そして別れ。 まゆげ⁇ おいわいをしたことのないカナリアたちに、宴ではなにをたべたらいいのでしょう?と尋ねられ、 みかんです、と即答したエルマーのキャラの濃さに今更ながら震える。 幼い頃に読んだ有名童話を偶然見つけ、懐かしさから癒しを求めて再読してみたけれど、なかなかどうして破天荒極まりない。癒しとか全くなかった。冒険ってこういう事だった。目がさめる思いで読了。

4か月前

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鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

新潮45での連載をまとめた作品。 短いエピソードが連なり、そのどれもがクスッと笑える小話のようなもの。興味深く珍しい鳥類の生態が細かく書かれている訳ではなく、この業界を面白おかしくサラリと話してくれる、そんな学術的エッセイ本。 いい意味で軟派なタッチ。堅苦しくない難しいお話が読みたい人向け。もちろん鳥は好きです。

4か月前

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ジェノサイド 下

こんなに凄い本があるなんて。 圧倒的な面白さとテーマの深さがあり、学んで考えて楽しめる、全てにおいてとんでもない、まさにモンスター級のエンターテイメント。 本が好きで良かったと心から思える傑作。

5か月前

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