359f49d4 c3a3 4dbf 8349 d1a93fcfac74

暇人

本の感想を書く場を求めて

本の感想を書く場を求めて。 好きな作家は辻村深月、伊坂幸太郎、森見登美彦、似鳥鶏、吉川トリコ、西加奈子、皆川博子、米澤穂信などなど。 嫌いな作家もまあまあいる。

58

コメントした本

魚神

時間も場所も定かでない、遊女屋街くらいしか目立つもののないうらぶれた島。 拾われ、遊女として売られるために育てられる少女白亜と、彼女にそっくりな弟スケキヨ。 二人の過酷な運命を恐ろしく、そして美しく書き上げた作品。

約2か月前

1e79cffe 032f 4b3a a4d3 004d1dd31478Icon user placeholder5c50f524 f6b7 412a b19b e458d59db9fd
本と鍵の季節

タイトルの通り、本と鍵が大きく関わるミステリー。図書委員の主人公とその友人、二人の友情の話でもある。 米澤穂信の作品の傾向を改めて評するなら「単純なハッピーエンドにならない物語」と言えるだろうが、本作も例外ではない。切れ者の男子高校生二人が鮮やかに謎を解決、めでたしめでたし!…とはなかなかいかないのだ。 開かない金庫を開けようとしたり、正体不明の本を推測したり、宝探しをしたり。さまざまなイベントを挟みながら季節は過ぎる。二人はいつまで、一介の、ただの図書委員でいられるのか。

3か月前

Icon user placeholderIcon user placeholder4ecb002b fa43 4e8f bc84 b0b84323bfb85e40eacd 7c31 47b9 94e3 79dc4b805621Dac65a9b 3335 4888 acc9 e29fcb3a56a9E8319e75 d2bd 4c56 994c c52b8e12988aD7909256 6499 4a6a b54a 3f9214c4cccf 100
ザ・ロード

近未来、文明の滅びかかった世界を舞台にした、ただただ道を歩く本。 主人公は父親と幼い息子の二人組。核戦争か何かが原因で文明が滅びかかり、ライフラインも食料も安全も失われた世界。徐々に寒くなる気候から逃れるため、道沿いに南下していく二人を追う物語。 ポストアポカリプスを書いた作品で、話の内容はシビア。文明崩壊後の混乱を生き残ってきたとはいえ、主人公はただの人間であり、ヒーローじゃない。間違っても「マッドマックス」とか「北斗の拳」のような陽気なクレイジーさは無く、あるのは陰鬱なモノクロの世界。 二人の静かなサバイバルに寄り添い、色々と想いを馳せる事が出来る人にはお勧め。 詩のような表現とか体言止めとか独特な文体が多いが、個人的に一番気になったのは「一つも点(、)がない事」だった。視覚的な効果を狙っているかもしれないが、文章は読みやすさを重視してほしいなぁ。

4か月前

453f23e4 9c0d 4a6a a99c ba05b1900b9d5cc7980a 4cef 4104 80ca 8c4ee643fcc2151a20ec 11c6 4572 b74d 1715202fc2415b95716f 620f 4cd5 9824 e4394702c8fe63245ee8 3e59 4747 b44c dcdb38723c70006b57b4 fea8 4d00 ac9e c75f9078ff520dc05543 aa24 475d bce5 9e3e58524f63 14
パラークシの記憶

SF。舞台は、地球と似てるけどどこか違う惑星。 「ハローサマー・グッドバイ」という前作があるので、そちらを先に読むのをお勧めする。 「個人の記憶が遺伝子として残されていく」という性質を持った、人類によく似ている種族。代々のほほんと暮らしていた彼らだったが、狩りの不振や畑の不作で次第に食料問題に悩まされ始める。 そんな時代の1人の青年を主人公にした話 。 概ね面白かったが、少しだけ難点が。 続きものなので前作を読んでないと分かりにくい点が多々ある一方、前作読了済の読者には分かっているある現象について、作中の登場人物達が「いったいどうすればいいのだ!?」と右往左往する描写が多い。前作の復習をさせられているようで、目新しさに欠けて少し退屈を感じた。 記憶遺伝子という設定が面白いので、この設定で色々作品を見てみたいと思ったり。

5か月前

1dd3e399 b5d3 4224 9dc5 70ecc74b483aB28d8472 e447 4a77 ba3d b9897eb56eca
私たちの星で

梨木香歩と師岡カリーマ・エルサムニーの往復書簡をまとめた一冊。 梨木さんは知っていたが師岡さんの方は知らなかったけど、エジプト人と日本人のハーフであり自身もムスリムで、NHKラジオでアラビア語放送アナウンサーもしている文筆家であるらしい。 そんな2人が、世界の動きや人々について、丁寧に言葉を交わしているのがこの本。 グローバル化やそれに反発するナショナリズムについて、イスラム教や信仰についてなど、割と堅めな話題について話が進む。 2人の教養や人生経験が滲むような穏やかなやりとりに、普段使わない脳細胞が刺激される。 異文化との交流や世界との付き合い方など、広い目線で生きていきたい人への指針となる、と思う。 少し注意としては日本の政治に対する意見などもあるので、もし対立する意見であっても「自分とは異なる意見」への寛容をもって望んでほしい。

6か月前

E3f2edce ff29 4a60 8a3a c6479114f9a86cb5df69 ceea 4233 aaae 413922b5218c7e61dda9 ed4b 4b55 83a6 3bea23683c3f6b6a9563 6c63 42a6 9213 418eeee991768faed6e7 d0b6 4eec 8253 f593fa0f3fbd9b7b10e5 4fb3 4a41 a86b 9a79d145935d453f23e4 9c0d 4a6a a99c ba05b1900b9d 10
さしすせその女たち

鈍感で役に立たず育児にも家事にも非協力的な夫とそれに苛立つ妻。2人の不協和音に満ちた生活を綴った小説。 あくまでフィクション、架空の話とは思いながらも、「妻が頑張ってるのに夫は無能」という展開が嫌という程繰り返され、「はいはい男は無能ですよ」と読んでる私も嫌気がさした。 単に個人の問題として捉えればいいのだろうが、どうしても『世の中の男って』という大雑把な括りで裁かれている気持ちになってしまった。 もう結婚も出産もしなければいいのに。誰も強制していない。

6か月前

C9c3940b 7ba5 4fb1 ad36 c879a05d3fbbB4b02055 014a 40a7 9950 b5e0475332b190ec6291 8dbd 4aa4 a029 1ebb09dd4beb
大人は泣かないと思っていた

九州の田舎に住む主人公、時田翼を中心にした連作短編集。 「隣家の婆さんが家の柚子を盗みに来る」という事件。 尊厳を守るため店長に頭突きを食らわす事件。 誰かがドアノブに花やチョコレートのプレゼントを置いていく事件。 それぞれの立場の人がそれぞれ生きる日々のささやかな出来事を描く話。 なのだが、もっとはっきりとした本作の主張は別にある。「男尊女卑許すまじ」だ。「許すまじ」とまでいかなくても、「それっておかしいよね?」と、なあなあで続いてきた旧弊に挑む物語でもある。 「九州は男尊女卑が激しい」とは聞くこともあるし、「らしさ」を強要される理不尽も良く分かる。「嫁は嫁ぎ先を優先しろ」と、実母を看取ることが出来なかった人のエピソードもあり、その理不尽さが生々しく伝わる。そういった方面で「世の中を良くしたい」と思う人は読んでみてもいいかもしれない。 個人的には、過去に男尊女卑反対の人が男性に対する過激な侮辱発言をしている所を見たので、それを思い出して嫌な気持ちになってしまった。

6か月前

4225c5c8 10f3 48ed bf29 51aa6fcaa35aB4b02055 014a 40a7 9950 b5e0475332b11aedee78 7991 4923 95bf ecf992e5f8f8Icon user placeholderIcon user placeholder22461bf2 dedd 4a1a a3b7 eab34b1bc5f1Bd3f1c37 f049 4a4a af4d 35748b1db2b2 18
アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

有名なSF。映画「ブレードランナー」の原作であるが、やはり色々違う。 「逃亡してきたアンドロイドを処理して報奨金を得るバウンティハンターの話」 ではあるのだが、行き詰まる死闘や駆け引きを楽しむというより、さまよいがちで不安定で小市民的な警官が、 「報奨金が出たら電気羊じゃなくて本物の動物を飼ってやる」 という社会的ステータスを夢みたり、でも思惑通りにいかずがっかりしたりする話だった。 「人間とアンドロイドを隔てる違いは共感性の有無である」と本作では言っているが、他者に共感できない人間はアンドロイドみたいなもの、というのは言い過ぎか。

6か月前

7138ece9 8bd7 46d4 ab89 86befad31438Icon user placeholderIcon user placeholderIcon user placeholderIcon user placeholderCee9898e 9704 47ce 97e2 a3a55b47bfd7Cb81cf0a a26d 4ed4 9e1f 09e821a81af4 179
拳銃使いの娘

映画「レオン」っぽい、というのが素直な感想。アウトローな男が幼い少女を連れてやむを得ず戦う、というところが近く感じた。 といっても「レオン」のただの模倣とは違い、アメリカとメキシコの麻薬マフィアの抗争など、ハードボイルドな闇社会を描写していてなかなか面白かった。 やっぱり悪徳警官はあかんなぁ。

7か月前

8817d9d2 f670 4857 8844 aad4222e18feF1e4dc23 167e 4f39 8e26 6b7568e2eb515277c408 57e3 40cd 8aef e6de9a3fefc6Icon user placeholder187bb560 6007 4def bd4d de632e937dc5Ac1d5f94 b6a9 40e6 b076 dbc4248fdcf31fc36915 d6e1 4dad b7b3 6ed05186a467 20
白昼夢の森の少女

人智の及ばない「何か」達が出てくる奇譚集。 実話怪談から幻想中編まで様々な雰囲気の作品があり、全部まとめて感想を言うのは難しい。 ので、今回は各話の不思議要素を大雑把に並べよう。 夏の満月の夜に、山を越えていく古入道。 一夜にして街と人を取り込んだ蔦と、取り込まれた人達。 時代と場所を行き来し、乗った人を永遠の旅に連れて行く銀の船。 こんな言葉に興味を持ったら、読んでみるのもいいですよ。一話が短いので読みやすいです。

7か月前

7f2fef6c 38d4 4bdf bd91 9842eaa0e6f0F38c1168 5758 46e2 87e9 cedb5ff8b86356a03690 63b8 4975 853f fac13092849bCb6fee81 97ab 4c85 9b00 6906ef9481a08faed6e7 d0b6 4eec 8253 f593fa0f3fbd340d0e7d 6228 472f bea0 b932de23bc4eIcon user placeholder 8
ベルサイユのゆり

傲慢で贅沢。マリー・アントワネットといえばこのイメージがついてまわる。 この作品は、そんな彼女を身近で見知っていた人々の証言を集めたもの、という体裁の物語である。 マリー・アントワネットの是非はともかく、フランス革命前後の人々がフランクにざっくばらんに「自分で自分がめんどくさい!」などと語るので愉快な雰囲気はある。 だが結局愉快にはならなかった。男性が有利な世界を嫌悪する人物たちの憎悪が強すぎたからだ。 「登場人物の意見=作者の意見」ではないのは知っているが、『この世の男は全部悪』『むしろ全ての悪事は男が原因』とでも言いかねない作中人物の暴言が気になって仕方がなかった。作者の本心でない事を祈る。 タイトルはベルバラを意識したタイトルだが、ゆりはフランス王家を象徴する花だそうな。そういった意味でのベルゆりなんだろう。

2か月前

Icon user placeholderEe6eb6ac 69e0 4180 ab28 36106d6da4056cb5df69 ceea 4233 aaae 413922b5218cIcon user placeholder5c50f524 f6b7 412a b19b e458d59db9fd
クロストーク

「もし思考や感情がダイレクトに人に伝わったら?」という仮定を突き詰めて書かれた作品。「EEDという脳の手術によって感情が伝わるようになる」という設定だが、EEDが何の略かは最後まで分からない。謎技術。ドラえもん的SFか。 全体的にコメディっぽいが、冗長な部分が多く読み終えるのにやたらと時間がかかった。 登場人物の9割が「人の話を聞かない病」に罹患しており、「自分が言いたいことを一方的に言い募る」事を交互に繰り返す会話が多い。 もっと短く密度が濃かったら好きになれたかもしれない。

3か月前

Icon user placeholder6c9f49e5 7325 4afa ac2f c4c58fbf626bA209443d 9caa 4ef1 a492 e750cfcdc656Af23a43c de7a 4b77 a911 0b5446efba2fF59ad2c2 2e65 4ea7 85a6 42fbee102bdcA9dd7ea1 c3af 4fef 936c 930350c4b51aD1cd8f9e 706f 4f28 9e0d 97137f8f558c 51
月は無慈悲な夜の女王

古いSF。 『月世界は、長い間地球の植民地として搾取され続けていた。しかしそれは終わりを迎える。月は独立を宣言したのである!!』 的な物語。ガンダムっぽいが、ガンダムの方が後のはず。 独立物語として思った以上に真面目に語られており、「スパイがいても被害を受けにくい革命組織の作り方」とかを真面目に(長々と)語っているので、少々退屈な部分もあり。 それ以外は、古いSFだから2076年の未来にソ連が健在だったり。 一番魅力的なのは自我を持った巨大計算機、マイクの存在だった。自意識を持ったAIにはやはり魅力を感じる。

5か月前

A65a3b75 57ee 4fe6 8ebe 5cfff9275cf7Daa0a7b8 9d45 400b 953e c54a388ba65954f3a670 9881 41a9 bec3 80e2062073baAkiaivjyeuyp25rambwaA18a72a3 70a1 4ee7 9d4e a49183f61a7078e62828 3fa7 414d aab9 85c74a7c543e8315c981 4b09 428d ac31 28a36dec8861 23
叙述トリック短編集

タイトルに惹かれてパラパラめくったミステリ好きのあなた。この本をめくった時点で、既に作者との戦いは始まっているのです。 「叙述トリックを使います」というのは、たとえるならじゃんけんで「次に私はパー以外を出す」と宣言するかのようなもの。挑発、言い換えれば舐めプであります。 「決闘を申し込まれて逃げ帰ることなんかできん」という貴族の方々も、「メンツを潰されて黙っていられん」というヤグザな方々も、是非この挑戦状をご購入ください。 ちなみに、本の表紙も一風変わっています。手が込んでるね。

5か月前

8c67a483 0183 48fa 9c92 c171619f8812Cbf5359e 4a74 476c 92ff 8fd73b3a9988Af6207e9 11a9 4c10 abe6 a9f3f9c0e351Cfbe46a2 0546 4a1d aea0 0888e9efbbcbEd9a905c 01a3 4081 8aea 80999174d7fcD08c46be f694 44a1 8011 94d357c409b0007b2062 83bd 431b 8702 9dc14032d264 23
はてしない物語

長編ファンタジー小説。大変長いが、それ以上の名作。 主人公のバスチアン・バルタザール・ブックスは、運動も勉強もダメないじめられっ子。お話を考える事だけが唯一得意な彼が、ある日古本屋で出会った『はてしない物語』という本に魅了され、思わず盗んでしまう所から物語が始まる。 この本を初めて読んだのは小学生の時。何も予備知識もないままにこの作品が読めたのは幸運だった。 魅力的すぎる登場人物たちや世界観、ストーリーの展開、『物語』に対する作者の想い、さまざまな要素が素晴らしく、20年近く経った今読み返しても一切色褪せていなかった。 物語に入り込み、没頭し、現実に戻る。そこから多くのものを貰い、生きていくことが出来る。 いつかお返しができる日が来るのだろうか?

6か月前

Icon user placeholderF5ee7e99 0a0f 4782 b368 ca2daef0a7e9Icon user placeholderE7426315 6440 49a3 ba01 01595b29e3929a4c3906 fb14 475c 80a5 75dcabab8e044039f9ab 21e0 46d2 9d46 6d4b2f6d8b25Daa0a7b8 9d45 400b 953e c54a388ba659 147
ハローサマー、グッドバイ

「おもしろくて読みやすくてかつ読んだら読書家ぶれる」と巷で噂のSF小説。 地球と似てるけど色々違う惑星が舞台。政府高官の息子である主人公が、夏の休暇を港町で過ごすべく旅支度をするところから物語が始まる。 ボートで転覆しかけたり、怪しい人物を追いかけたり、「少年と仲間たちの一夏の冒険」といった感じの物語が続くが、この作品の真骨頂は終盤から。 大きな秘密が明らかになり、主人公と恋人の間に立ちはだかる壁。果たして彼らに待ち受ける結末とは? 所々シビアな描写もあるけれど、読後感が良く圧倒された。 青春ものであり戦争ものでありSF、というのは確かに納得できる説明だ。 あと、主人公の成長っぷりが著しい。最初は子供じみた意地や不機嫌が目立つが、だんだんと知的で大人な対応ができるイケメンになっていく。末恐ろしい。

6か月前

21432533 9b51 424a 8da3 02b49eff6cb81dd3e399 b5d3 4224 9dc5 70ecc74b483aIcon user placeholder101ce732 b6c9 4d50 a0cf 6061026ffb106c297c28 f15b 4bd1 b046 0af57a8709c94daeef9d 483a 4baf be73 c9876e4019b0C17e5ddf fd7c 4655 a028 d401a2587f88 20
追想五断章

見逃していた米澤穂信の作品。 古書店の店員である主人公の元に、ある日寄せられた奇妙な依頼。それは、今は亡き無名の作家が残した5つの短編を集めて欲しい、というものだった。 報酬に釣られて引き受けた主人公だったが、集め始めた短編にはある家族に纏わる秘密が隠されていた。 といったあらすじ。 メインの推理は中々の面白さ。作中作として5つの短編もしっかり書かれる所が面白く、その分作者の苦労が偲ばれる。 そして「追想五断章」という名の通り、5つの断章についての追想、といった趣のある作品だった。作品を探す主人公はたしかに主人公なのだが、過去の事件と今の自分には何も関係が無い。それを思う主人公は、きっと羨望すら感じていただろう。 劇的じゃ無くても人生は続く。毎度の事ながら、今回もほろ苦さを噛み締めつつ読了。

6か月前

2a7b10e5 10ef 4150 b84e c37652fb59dd136aee2f 5d52 40ac a350 633a63075b50F38c1168 5758 46e2 87e9 cedb5ff8b863Aaf3a5a9 1641 4c32 84cb 16e7f9edc36b7d63272d 4edb 4f5c b64c f54f6b57d0c4E7b94d4b 30a6 4cc0 a9a9 45ba8574a3516279c3dc c4e6 441c 886d a8c1c7d5204a 9
そして、バトンは渡された

率直な感想として「優しすぎる世界」と思った。 事情により親が何度も変わる事になった主人公。時折、去ってしまった人達のことを思って切なくなっても、怒りも不満もなく親達に感謝している。 そして歴代の親達も、少しも血の繋がりのない主人公を実の娘のように愛している。 理不尽や不幸な目にあっても、世の中に恨みを持つわけでもなく、いつも美味しそうにご飯を食べている。 健全で、優しすぎて、眩しすぎる。

6か月前

35febbaf 965e 4a53 8879 a37b3862c0e4Icon user placeholder865986ab 3889 4155 b42d c9b0bfd9481eD517a95e e99d 40db 80dc 7a4112adfcb846122a74 8f42 4641 9012 5562f02cb1be6e6f6a7e ace4 41e2 9a0e 862dcfb1d378677b77aa 303b 48de b84f edfc5840fbd6 151
ウチらは悪くないのです。

反「とりあえず青春」。 だらだらと大学生活を過ごし、いつもスタバでダベってる「あさくら」と「うえぴ」。 そんな彼女らの元に訪れる変化とは。 独特な文体と全編にちりばめられたお茶目ユーモアのため分かりにくかったが、なかなか良いこと言ってくれる作品だった。あさくらとうえぴ、ええやん。自分の欲求のために素直に生きて楽しむ尊さよ。 日々を摘んで生きたいね。

7か月前

722c0bca 3b87 4156 94ec 10234f3745dd687209d1 a652 4449 946e 049464bfe939328ed07f fd1e 4a0b b315 5abba972a31a
ゼンデギ

長編SF。 第1部、2012年。中東の政変を追いかけるジャーナリストと、アメリカで鳥の脳の電子的再現を試みる科学者。 第2部、2027〜8年。死期を悟ったジャーナリストは、一人残される幼い息子の為に、科学者に自分の脳のマッピングを元にした仮想人格の作成を依頼する。 といった内容の物語。 このあらすじから察する人もいるかもしれないが、第1部は第2部のための長い序章といった体裁だ。そして政治的話題が多い。その辺りの話も面白いのだが、SF的ガジェットが出てきてワクワクし始めるのは第2部になってからだ。 第2部の世界は、視覚だけでなく触覚も再現した「ゼンデギ」というゲーム機が浸透した未来になっている。本作のメインテーマは「人格の電子化」についてだが、ゼンデギの没入感や新形態の電子書籍の登場など、興味深い近未来像が多くあった。 そう遠くない未来、人は何が出来るようになっているのか。SFの根本的楽しさに触れられる読書だった。

7か月前

8faed6e7 d0b6 4eec 8253 f593fa0f3fbd7133f3dc d379 4bcf 9acc f8c84cd05c0fIcon user placeholder66962401 8602 4990 ac81 0daa89dece9f38e6da79 d16f 446c 84d6 13b9464b18233e2b8c6c fc82 4208 8c8c 8a8d5f773fce