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暇人

本の感想を書く場を求めて

本の感想を書く場を求めて。 好きな作家は辻村深月、伊坂幸太郎、森見登美彦、似鳥鶏、吉川トリコ、西加奈子、皆川博子、米澤穂信などなど。 Standは機能が少なくシンプルだから好き。

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コメントした本

さしすせその女たち

鈍感で役に立たず育児にも家事にも非協力的な夫とそれに苛立つ妻。2人の不協和音に満ちた生活を綴った小説。 あくまでフィクション、架空の話とは思いながらも、「妻が頑張ってるのに夫は無能」という展開が嫌という程繰り返され、「はいはい男は無能ですよ」と読んでる私も嫌気がさした。 単に個人の問題として捉えればいいのだろうが、どうしても『世の中の男って』という大雑把な括りで裁かれている気持ちになってしまった。 もう結婚も出産もしなければいいのに。誰も強制していない。

約6時間前

大人は泣かないと思っていた

九州の田舎に住む主人公、時田翼を中心にした連作短編集。 「隣家の婆さんが家の柚子を盗みに来る」という事件。 尊厳を守るため店長に頭突きを食らわす事件。 誰かがドアノブに花やチョコレートのプレゼントを置いていく事件。 それぞれの立場の人がそれぞれ生きる日々のささやかな出来事を描く話。 なのだが、もっとはっきりとした本作の主張は別にある。「男尊女卑許すまじ」だ。「許すまじ」とまでいかなくても、「それっておかしいよね?」と、なあなあで続いてきた旧弊に挑む物語でもある。 「九州は男尊女卑が激しい」とは聞くこともあるし、「らしさ」を強要される理不尽も良く分かる。「嫁は嫁ぎ先を優先しろ」と、実母を看取ることが出来なかった人のエピソードもあり、その理不尽さが生々しく伝わる。そういった方面で「世の中を良くしたい」と思う人は読んでみてもいいかもしれない。 個人的には、過去に男尊女卑反対の人が男性に対する過激な侮辱発言をしている所を見たので、それを思い出して嫌な気持ちになってしまった。

6日前

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アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

有名なSF。映画「ブレードランナー」の原作であるが、やはり色々違う。 「逃亡してきたアンドロイドを処理して報奨金を得るバウンティハンターの話」 ではあるのだが、行き詰まる死闘や駆け引きを楽しむというより、さまよいがちで不安定で小市民的な警官が、 「報奨金が出たら電気羊じゃなくて本物の動物を飼ってやる」 という社会的ステータスを夢みたり、でも思惑通りにいかずがっかりしたりする話だった。 「人間とアンドロイドを隔てる違いは共感性の有無である」と本作では言っているが、他者に共感できない人間はアンドロイドみたいなもの、というのは言い過ぎか。

13日前

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拳銃使いの娘

映画「レオン」っぽい、というのが素直な感想。アウトローな男が幼い少女を連れてやむを得ず戦う、というところが近く感じた。 といっても「レオン」のただの模倣とは違い、アメリカとメキシコの麻薬マフィアの抗争など、ハードボイルドな闇社会を描写していてなかなか面白かった。 やっぱり悪徳警官はあかんなぁ。

20日前

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白昼夢の森の少女

人智の及ばない「何か」達が出てくる奇譚集。 実話怪談から幻想中編まで様々な雰囲気の作品があり、全部まとめて感想を言うのは難しい。 ので、今回は各話の不思議要素を大雑把に並べよう。 夏の満月の夜に、山を越えていく古入道。 一夜にして街と人を取り込んだ蔦と、取り込まれた人達。 時代と場所を行き来し、乗った人を永遠の旅に連れて行く銀の船。 こんな言葉に興味を持ったら、読んでみるのもいいですよ。一話が短いので読みやすいです。

約1か月前

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夜のアポロン

死や退廃、耽美さを感じさせるような、妖しい短編集。 著者の初期の作品も含まれるという事で、戦中の描写やヒッピーなど、時代を映した作品もちらほら。 1930年に生まれ、激動の時代を生きてきた著者だからこそ描ける作品達に魅了された。

約1か月前

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ユービック:スクリーンプレイ

『バーナード嬢曰く。』の中で傑作と褒められていたので読んでみた、古めのSF小説。 1992年の未来(過去)、家電がことごとくチップを要求し、死者は「半生者」として降霊術の如く呼び出す事ができ、超能力者と反能力者?がいる世界。主人公がてんやわんやなって大変なことになる小説。 確かに面白かったが、最後が腑に落ちない。古典SFを読むと大抵こんな微妙な気持ちになるのは何でだろう。 ただこの本は「スクリーンプレイ」、つまり映画向けのシナリオとして著者であるディックが再解釈を加え加筆修正をしたものらしく、オリジナルとは異なるらしいのが気になる所。

約2か月前

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バーナード嬢曰く。

図書室の常連、町田さわ子(表紙の人)。 彼女はいつも小難しげな本を持っている。それは彼女が知的で賢い素敵な読書家……だと周りに見せたい人だから。 読まずして名作を語る、名文を引用したいがために小説に挑むなどなど、彼女は無茶な暴走を繰り返し、他の登場人物にツッコミを入れられ、時に呆れられ、たまに殴られる。 そんなちょっとマニアックな図書室ギャグ漫画。 最近「読書は廃れつつある文化なのでは?」と思う事もあるけれど、この本を読んでると笑いと共に「関係ねぇ!読みたいから読むんだ!ちょっと自慢したい気持ちもあるけど!!」と、読書欲をチクチク刺激される。Standのユーザーなら分かってくれるだろうか。 続刊も買います。

2か月前

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いまさら翼といわれても

古典部シリーズ6作目。今回は短編形式で、古典部メンバーの日常を小粒なミステリと共に楽しむ作品となっている。 如何にしてホータローは省エネ主義者になったのか、伊原は漫画道をどう進むのか、データベースは結論を出せないままなのか、そして千反田はどこに行きどこに行くのか。 古典部4人の青春は楽しげながらいつも苦そうで、とても羨ましい。 余談だけど、古典部シリーズは2019年4月の時点では本作が最新作。シリーズ番号がタイトルに入っていないため、読了順が無茶苦茶になってしまった私のようなものを増やさないために、ここに順番を記す。 氷菓→愚者のエンドロール→クドリャフカの順番→遠回りする雛→ふたりの距離の概算→いまさら翼といわれても 7作目が待ち遠しい。

2か月前

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島はぼくらと

瀬戸内海の島で暮らす四人の高校生が主人公の青春小説。 青春といっても、主な舞台は学校じゃなくて島。Iターンで本土から移住してきたシングルマザーや島の活性化に取り組む村長など、島の住人達との交流や小事件を描きつつ、四人が成長していく様を追っていく。 本作品では大事件は起きない。殺人もないし誘拐もない。あるのは『病院の無い島なのに急に子供の具合が悪くなり母親が助けを求める事件』だったり、『本土から来た自称作家が、島に眠るという幻の脚本を探しに来た事件』だったり。 でもその分、島で生きるということをより身近に感じさせる作品になっている。狭い島社会で起こる色んな良いことや悪いこと、両面を描きながらも、それでも「島はぼくらと」と言える思い。こういうのも青春と言えるだろう。 友達は100人もいらない。生涯の友が3人もいれば最高だろう。

2か月前

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ハローサマー、グッドバイ

「おもしろくて読みやすくてかつ読んだら読書家ぶれる」と巷で噂のSF小説。 地球と似てるけど色々違う惑星が舞台。政府高官の息子である主人公が、夏の休暇を港町で過ごすべく旅支度をするところから物語が始まる。 ボートで転覆しかけたり、怪しい人物を追いかけたり、「少年と仲間たちの一夏の冒険」といった感じの物語が続くが、この作品の真骨頂は終盤から。 大きな秘密が明らかになり、主人公と恋人の間に立ちはだかる壁。果たして彼らに待ち受ける結末とは? 所々シビアな描写もあるけれど、読後感が良く圧倒された。 青春ものであり戦争ものでありSF、というのは確かに納得できる説明だ。 あと、主人公の成長っぷりが著しい。最初は子供じみた意地や不機嫌が目立つが、だんだんと知的で大人な対応ができるイケメンになっていく。末恐ろしい。

1日前

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追想五断章

見逃していた米澤穂信の作品。 古書店の店員である主人公の元に、ある日寄せられた奇妙な依頼。それは、今は亡き無名の作家が残した5つの短編を集めて欲しい、というものだった。 報酬に釣られて引き受けた主人公だったが、集め始めた短編にはある家族に纏わる秘密が隠されていた。 といったあらすじ。 メインの推理は中々の面白さ。作中作として5つの短編もしっかり書かれる所が面白く、その分作者の苦労が偲ばれる。 そして「追想五断章」という名の通り、5つの断章についての追想、といった趣のある作品だった。作品を探す主人公はたしかに主人公なのだが、過去の事件と今の自分には何も関係が無い。それを思う主人公は、きっと羨望すら感じていただろう。 劇的じゃ無くても人生は続く。毎度の事ながら、今回もほろ苦さを噛み締めつつ読了。

8日前

そして、バトンは渡された

率直な感想として「優しすぎる世界」と思った。 事情により親が何度も変わる事になった主人公。時折、去ってしまった人達のことを思って切なくなっても、怒りも不満もなく親達に感謝している。 そして歴代の親達も、少しも血の繋がりのない主人公を実の娘のように愛している。 理不尽や不幸な目にあっても、世の中に恨みを持つわけでもなく、いつも美味しそうにご飯を食べている。 健全で、優しすぎて、眩しすぎる。

15日前

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ウチらは悪くないのです。

反「とりあえず青春」。 だらだらと大学生活を過ごし、いつもスタバでダベってる「あさくら」と「うえぴ」。 そんな彼女らの元に訪れる変化とは。 独特な文体と全編にちりばめられたお茶目ユーモアのため分かりにくかったが、なかなか良いこと言ってくれる作品だった。あさくらとうえぴ、ええやん。自分の欲求のために素直に生きて楽しむ尊さよ。 日々を摘んで生きたいね。

28日前

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ゼンデギ

長編SF。 第1部、2012年。中東の政変を追いかけるジャーナリストと、アメリカで鳥の脳の電子的再現を試みる科学者。 第2部、2027〜8年。死期を悟ったジャーナリストは、一人残される幼い息子の為に、科学者に自分の脳のマッピングを元にした仮想人格の作成を依頼する。 といった内容の物語。 このあらすじから察する人もいるかもしれないが、第1部は第2部のための長い序章といった体裁だ。そして政治的話題が多い。その辺りの話も面白いのだが、SF的ガジェットが出てきてワクワクし始めるのは第2部になってからだ。 第2部の世界は、視覚だけでなく触覚も再現した「ゼンデギ」というゲーム機が浸透した未来になっている。本作のメインテーマは「人格の電子化」についてだが、ゼンデギの没入感や新形態の電子書籍の登場など、興味深い近未来像が多くあった。 そう遠くない未来、人は何が出来るようになっているのか。SFの根本的楽しさに触れられる読書だった。

約1か月前

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その青の、その先の、

17歳の高校生、まひる。これといった夢も趣味も無いながらも、仲のいい友人達や落語家になりたい彼氏に彩られ、笑ったり泣いたりしながら日々を過ごしていた。 彼女のそんな毎日を丁寧に追いかける青春小説。 楽しい事やいい事の後には、きっと悲しい事や悪い事がある。幸せそうな主人公を見るたびに、突然の不幸への心構えで体が強張った。そんな防御的反応をしてしまうのは、私がとうに大人になってしまったからだろうか。 誰もが、自分だけの人生を生きている。よく聞く言葉が実感を持って感じられるのは、この本に出てくる様々な人々のおかげだ。 ありふれた人生の、かけがえのなさ。 自分の事も人の事も、少し大目に見てあげたくなる。 タイトルの「青」はきっと青春のことだろう。そして「、」は続きがあることを意味しているかもしれない。いつか終わるまで、歩き続ける、進み続ける。前へ行く事を優しく後押ししてくれる、優しい小説だった。

約2か月前

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シーソーモンスター

どうしても、互いに憎みあわずにはいられない。 遺伝子レベルで刷り込まれているような『天敵』がいるとしたら、私達はどうするべきなのだろう。 バブル期と、2050年代の近未来。二つの時代を舞台に、「嫁と姑」「追う者と追われる者」の、憎み合う2組の軌跡を描いたエンタメ小説。 誰でも苦手な人というのはいるだろうが、彼らとどう関わるべきなのか、悩ましいテーマだ。 しかし、残念ながらこの作品には一つの問題点がある。 作中、話の本筋に関わらない、意図不明とすら思われるような描写がちらほらあり疑問に感じていた所、この作品は計8組の作家で作られた「螺旋プロジェクト」というものの一作であると、巻末に書かれていた。互いの作品へのリンク・関連がある、一つの作品群であるとのこと。 つまり、おそらく、同プロジェクトの他作品を読んで初めて意味が分かる要素もあるという事、らしい。 企画とはいえ、一冊で物語の世界が完成しないというのは、作品の完成度としてはどうかと思う。他の作品との統合性や同一要素の導入などをすると創作に制約があったとも思うし。 これを機に他のプロジェクト作品を読むべきかもしれないが、作者が80%の力しか出せなかった作品を8つ読むよりは、100%の作品を1つ読む方が良かった。残念。

約2か月前

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オリーブ―Girls & Boys

恋の病、という表現がありますよね。 本人の意思に関わらず突然陥り、治すすべもなく、熱が冷めるまでは苦しむしか無い。そんな所が確かに病気っぽいようです。 そんな病に冒された4人の男女が、取り繕った分別をなくして四苦八苦する。その様を俯瞰してにやにやしながら読めるのが、この作品です。 恋は病なので、相手だって選びません。理性では分かっていても、やめられない止まらない。 はたから見れば愚かにすら見える事も、本人達には真面目な事。恋って変。

2か月前

超短編を含む短編集 枝付き干し葡萄とワイングラス

主に家庭や夫婦生活に焦点を当てた短編集。 産婦人科の待合室で、何かの縮図のような人間模様を見たり。 若い夫婦二人が夜のドライブで取り留めもない話をしたり。 何年もぶつかり合い、ついには互いの事を「平面」のようにしか感じなくなった夫婦が離婚届を出しに行ったり。 ちっぽけな私達の日々の出来事、ささやかな揺らぎを丁寧に描写した一冊。

2か月前

なにもいらない

長編恋愛小説。 頼り甲斐のある親友と、親友の優しい弟と、甘いものと可愛いもの。それらに囲まれすくすくと育った主人公は、自らをお姫様とみなすようなメルヘン気質。そしてお姫様は、好きなものはどうしても手に入れたくて仕方がない。可愛い小物や綺麗なお菓子にお金を注いでは、給料日前を塩おにぎりでやり過ごす日々。 そんな彼女が、初めて恋をしてしまった。それも、メルヘンとは真逆なバンドマンに。 というあらすじ。 お姫様というだけあって、主人公の言動は時にマリーアントワネットの如く、現実味がなくワガママな事も。それでいながら憎めないのは、子供のようなワガママさと同時に子供のような素直さ、率直さがあり、見ていて爽快だからかもしれない。 全体的にユーモアをちりばめながらも、真面目に恋に向き合って書かれている今作、何度も笑えて多少涙腺にきます。おすすめです。 主人公の親友が本当に良い奴。

3か月前

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